戸籍「用語」の正しい英訳① 


海外に赴任する、海外で外国人と結婚する、そのような時、親族関係の証明として戸籍謄本の英訳文が必要になります。弊所でも戸籍謄本の英訳を多く手掛けてきましたが、注意すべき戸籍用語の英訳についてまとめてみました。

1. 本籍は、domicileと訳して本当に大丈夫?

戸籍の英訳で気になることの一つは、戸籍に出てくる本籍の意味を、戸籍制度を持たない国の人々にどう伝えるか、とういことです。

相手の理解を助けるため、適した訳語を選択しなくてはいけないと思っています。

本籍の正確な意味については後述しますが、その前にまず、一般的に本籍ががどのように英訳されているか調べてみました。

インターネット、辞書や書籍では本籍の英訳として、

registered domicile (登録された住居)とか
permanent domicile(恒久の住居)とか
legal domicile (法定住所)

などが多く使われているようです。

一番上のregistered domicileは、日本政府発行のパスポートも採用している訳語です。

二番目のpermanent domicile は法務省の「日本法令外国語訳データベースシステム」の訳語です。

政府が使用している語を使っておけば安心と考えてか、多くの自治体などもこれらの訳語を使っているようです。

上記のどの訳語にもdomicileという語が使われていますが、実はこの語は本籍の意味を正しく伝えるのにふさわしくないと私たちは考えています。

ではここで、本籍の意味を正確に理解しましょう。
有斐閣「法律用語辞典」は、本籍を以下のように定義しています。

「戸籍の存在する場所。実際の住所とは関係がなく、どこに定めるかも自由であり、転籍も自由にできる」  

もう少し噛み砕くと、本籍は、
・家族関係や出生、死亡、婚姻、離婚、養子縁組などの事実を記録しておく戸籍が登録されている地のことであり、
・住民登録している住所とは関係がありません。
・またどこに戸籍を置くのかは自由で、同じ場所に違う人の戸籍が複数登録されることも可能です。

次にdomicileの意味ですが、欧米で使用されている様々な辞書を調べてみますと、

domicile: (Dictionary.com, Merriam Websterより抜粋)

1.
・the primary or permanent home of an individual (個人の恒久的住居)
・the place where a person has his/her permanent principal home to which he/she returns or intends to return (いずれは戻るつもりの終の棲家のある地) 

2.
Law. a person's fixed, permanent, and principal home for legal purposes (法的住所*としての固定的な生活の本拠地)
*法定住所: 納税、選挙、その他様々な「法的行為を行う地」のこと

このようにdomicileは、日本の「本籍」とは全く関係無い単語です。
これだけも見ても、本籍をdomicileと訳すのは間違いではないかと感じます。

でも考えてみれば欧米諸国には戸籍の制度が無いのですから、ぴったりくる単語が無いのは当然です。

ではなぜdomicileが本籍の訳語として使われるようになったのでしょうか。
「いずれは戻るつもりの終の棲家のある地」というdomicileの意味が、日本人の「ふるさと、田舎」を彷彿させ、本籍地=田舎というイメージからこの訳語が使われたのかもしれません。

しかしこれでは本籍の意味が正しく伝わっていません。
ではどう言えばいいでしょうか?
私たちは以下のような工夫をしています。

外国人には「戸籍制度」は馴染みがないので、

まず「戸籍」をFamily register(=家族の登録)と訳して戸籍とは何かを理解してもらい

「本籍」はlocation of family register(戸籍の置かれた場所)とありのままに訳しています。

また、「戸籍」「本籍」は日本にしかない概念なので日本語をそのまま使い、
書類の最初に出てきた時に、 Koseki(Family register) Honseki(location of family register) と定義しておき、

2回目以降は、 Koseki, Honseki のみで表すようにしています。

日本には、「家族を登録する戸籍制度があり、その登録地は住んでいる場所とは無関係」ということがわかるだけでも、読み手に余分なストレスがかからないはずです。

翻訳とは、ある言語を他の言語へ置き換えて済むものではありません。
読み手の理解を助ける工夫をし、異文化を持つ人同士をつなげることが大切であると考えています。

(以上が私たちの考えですが、訳文の提出先が在外日本公館や外国大使館などの場合には、訳語や形式が定められていることが多く、その際にはそれらに従って翻訳をします。)

2. 【送付を受けた日】【受理者】、 3. 【国籍留保の届出日】の意味と訳し方









ページトップへ


ワードなどのファイルを添付できるお見積りフォームです。
(事務所の所在地)
〒300-1256
茨城県つくば市森の里
30-13
(業務対応地域)
茨城県(水戸市、日立市、土浦市、石岡市、 結城市、 龍ケ崎市、 下妻市、 常総市、 北茨城市、 取手市、 牛久市、 筑西市、 坂東市、 かすみがうら市、 桜川市、 神栖市、 行方市、 鉾田市、 つくばみらい市、 小美玉市、 茨城町、 美浦村、 阿見町、守谷市)、千葉県(我孫子市、柏市、松戸市、野田市、船橋市、市川市、浦安市、印西市)、東京都、神奈川県(横浜市、横須賀市、川崎市、平塚市、藤沢市、茅ケ崎市、厚木市)、栃木県(宇都宮市、足利市、栃木市、佐野市、芳賀市)など

関東全域から札幌、大阪、名古屋、京都、四国・中国地方、九州、沖縄地方まで全国の各県各都市のお客様に対応しております。
在留資格、ビザの更新・変更が専門のつくば市のフェリス行政書士事務所

在留資格(ビザ)、帰化、国際結婚・離婚・相続の手続きでお困りの方は、フェリス行政書士事務所へ!
© 2012-2018 Office Felis
QLOOKアクセス解析